マンション敷地売却制度

マンションの敷地を売却することに賛同しない区分所有者の敷地を買収したり、敷地を売却したことにより得られる金銭を区分所有者等にどのように分配するかを定めた「分配金取得計画」を決定したりするのも、マンション敷地売却組合の役割です。

マンション敷地売却後、区分所有者は買受人がその土地に再建したマンションに住んでもよいですし、他のところへ引っ越してもかまいません。

本制度は平成26年6月に「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」が改正されたことをきっかけにできた制度です。

 

制度改正以前は、マンションの耐震性が低い場合は耐震補強工事を行うか、大規模修繕工事を行うしか方法がありませんでした。しかし、大掛かりな耐震補強工事は区分所有者の費用負担が増えることもあり、合意が得られないケースも多かったのです。

本制度によって、マンションの敷地を売却して買受人がマンションを除却することも可能になったので、耐震性の低いマンションに対してより柔軟に対処できるようになりました。

 

なお、この制度には、古いマンションを取り壊して新たなマンションを建設する場合における容積率の緩和特例も設けられているため、デベロッパーにとってもメリットのある制度になっています。

マンション敷地売却制度は、「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」に基づく制度で、マンションの敷地を一括して買受人に売却するための仕組みです。

マンション敷地売却制度の対象となるのは、特定行政庁から耐震性不足の認定を受けたマンションです。

特定行政庁から耐震性不足の認定を受けたマンション(要除却認定マンション)の敷地の売却は、マンション敷地売却決議によって行われますが、実際に売却手続きを進めるためには区分所有者、議決権および敷地利用権の持分価格の、各5分の4以上の同意が必要です。

敷地の売却はマンション敷地売却組合によって行われます。マンション敷地売却組合の設立には、決議合意者の4分の3以上の同意を得て、都道府県知事等の認可を受ける必要があります。

マンション敷地売却組合は、マンション敷地の権利を取得し、買受人(敷地の買受計画について都道府県知事等の認定を受けたデベロッパーなど)にその権利を売却します。